なぜこれほどまでに多くの表現者や写真ファンが、四谷四丁目の小さな一角を目指すのでしょうか。最大の理由は、日本独自の写真文化である自主運営ギャラリー東京の系譜を最も純粋な形で継承・進化させている点にあります。
1970年代に森山大道氏らが立ち上げた伝説的ギャラリー「CAMP」などのDNAを受け継ぎ、所属する写真家たちが自ら維持費を拠出し、展示のキュレーションから受付番までを分担して運営しています。スポンサーの意向や売れ筋に左右されないため、展示室に並ぶプリントには作家の生々しい執念と実験精神が宿ります。TOTEM POLE PHOTO GALLERY展示の最大の特徴は、この「表現の濁りのなさ」に他なりません。
さらに、所属する出展写真家一覧の顔ぶれも圧倒的です。チベットや新宿の路上を克明に記録し続ける写真家・有元伸也氏をはじめ、日米の路上を鮮烈に捉えるジョン・サイパル氏、気鋭の若手作家など、独自の視座を持つ写真家たちが定期的に個展を開催。特に有元伸也写真展の開催期間中には、モノクロ銀塩プリントの圧倒的な粒子感とディテールを間近で体感しようと、日本国内のみならず欧米やアジア圏のコレクター、学生が連日詰めかける光景が見られます。