「気が気じゃない」の根本的な意味は、強い不安や焦り、心配事によって心が激しく乱れ、平穏な気持ちでいられない状態を指します。何らかの不測の事態や重大な結果を前にして、ほかの物事にまったく手がつかなくなる極限の胸中を表現する際に用いられます。
語源を探ると、日本語の「気」という言葉が持つ重層的な意味合いに行き着きます。「気」は心や意識、精神状態そのものを表しますが、このフレーズでは「気(自分の心)が、気(正常で落ち着いた本来の心)ではない」という構造になっています。つまり、「自分の意識でありながら、正常な自分の心として機能していないほど取り乱している」という極度の心理的パニックを比喩的に表したものが言葉のルーツです。
単なる「心配だ」「緊張している」というレベルを超え、心臓が締め付けられるような緊迫感やソワソワ感を的確に描き出す表現として、古くから日本人の心理描写に寄り添ってきました。