元町工場が他の量産工場と決定的に異なるのは、最先端のオートメーションラインと、極限まで磨き抜かれた手作業の「匠の技」が同一敷地内で共存している点です。現在のトヨタ自動車元町工場における生産車種のラインナップは、まさに同社の技術と品格の結晶といえます。
象徴的な存在が、一般ラインから完全に独立した「センチュリー工房」です。ここでは「鏡面仕上げ」と呼ばれるボディの手研ぎ作業をはじめ、ミクロン単位のチリ合わせ(隙間調整)、極上のシート縫製に至るまで、選び抜かれた専任の熟練職人たちが1台あたり膨大な時間をかけて組み上げています。フラッグシップSUVとして登場した新世代センチュリーの製造も、この工房の技術陣が中核を担っています。
一方で、主力となるクラウンの生産ラインでは、クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートという異なるボディ形状やパワートレインを同一ラインで柔軟に組み立てる「多品種混流生産」の極致が実現されています。さらに、量産型FCEV(水素燃料電池車)であるMIRAIや、レクサスLC、bZ4Xなどの高付加価値モデルもこの元町から世界へ送り出されています。