一方で、ネット上の一部掲示板やSNSでは、実態を知らない層による先入観や誤解が散見されます。代表的なものが「入場無料の公共ギャラリーだから、市民サークルの作品発表会レベルではないか」「福祉施設の成果物展示に過ぎないのではないか」という安易な思い込みです。
この認識は決定的な誤りです。同館で展開される企画の多くは、国内外の著名なインディペンデント・キュレーターや大学教授、文化人類学者などの専門家が企画立案に参画しています。作品の選定基準は厳格であり、国内外のアール・ブリュット美術館や国際展(ヴェネチア・ビエンナーレなど)で高い評価を受ける作家から、これまで埋もれていた圧倒的な個の才能まで、深い学術的リサーチに基づいてラインナップが組まれています。
また、空間設計やサインデザイン、展示台の配置に至るまで、トップクラスの展示デザイン事務所が手掛けており、美術館クオリティの鑑賞体験が設計されています。福祉とアートの境界領域を安易な同情や情緒で語るのではなく、現代の視覚文化論として極めてシャープに提示している点が、専門家筋からも高く評価されている真の理由です。