杉本彩氏が動物保護に深く関わるようになった背景には、20代前半での瀕死の野良猫との遭遇があります。過酷な路上生活で傷つき、車道で行き倒れていた子猫を病院へ担ぎ込み、自らの手で看病して命を救い上げた経験が、彼女の価値観を根本から揺さぶりました。
「物言えぬ弱者が人間の身勝手や無関心によって理不尽に命を奪われている」という過酷な現実に直面した彼女は、自邸での保護活動を個人的に開始。さらに1995年の阪神・淡路大震災において被災動物の救援活動に現地で直接携わったことが、生涯をかけたライフワークへの決意を決定づけました。
テレビ特番や自著の手記において、杉本氏は「華やかなスポットライトを浴びる仕事の裏で、路傍で命を落としていく動物たちを無視することは私にはできなかった。命を救うことは、私自身の生き直しのプロセスでもあった」と率直に告白しています。商業主義に翻弄されるペット産業の暗部に憤りを覚え、一個人の善意によるシェルター運営の限界を痛感したことが、後年の制度改革への挑戦へと結びついていきました。