乳児が首を上下に振ったり、頭を前に倒したりする動作を見たとき、保護者が最も懸念すべきは「単なる癖」なのか「発作」なのかという点だ。点頭てんかん(ウエスト症候群)における特徴的な動作は、一般的な「うなずき」とは大きく異なる特有のパターンを描く。
最大の特徴は、短い間隔で何度も繰り返される「シリーズ形成」と呼ばれる連鎖的発作だ。具体的には、以下のようなサインが観察される。
・数秒(1〜2秒程度)の短い収縮動作が、5秒から30秒ほどの間隔をおいて連続して起こる。
・1回の発作群(シリーズ)が数分から十数分間にわたって続く。
・寝起きや寝入りばななど、意識が朦朧としている時間帯に多発する。
・動作の際、両腕を前上方に広げたり、万歳をするようなポーズ(モロー反射に類似した動き)を伴うことがある。
・発作が終わると、赤ちゃんが機嫌を損ねて激しく泣き出したり、逆に表情が乏しくなったりする。
「普通のうなずき」の場合、呼びかけに対して反応があったり、視線が合ったり、抱っこをすると収まることが多い。しかし、点頭てんかんの発作中は刺激に対する反応が消失し、目の焦点が合わなくなる。また、発作を重ねるごとに「今までできていた首すわりや追視ができなくなる」「笑顔が消える」といった発達の退行が見られる点も、見分け方の極めて重要な指標である。早期治療に繋げるためにも、違和感を覚えたらすぐに動画を撮影し、医師に見せることが推奨される。