ファミレス業界における24時間営業の見直しは、業界最大手のすかいらーくホールディングスが主導しました。かつて同社は「ガスト」や「ジョナサン」など全国数千店舗規模で24時間営業を展開していましたが、2017年から段階的な深夜営業の短縮に着手。そして2020年1月、原則として全グループ店舗での24時間営業廃止を正式発表しました。
当時、業界内では「競合他社に客を奪われるのではないか」という懸念もありました。しかし結果は正反対でした。深夜営業を取りやめたことで、現場従業員のワークライフバランスが劇的に改善し、採用効率や従業員定着率が大幅に向上。さらに、従業員が深夜のワンオペやトラブル対応から解放されたことで、売上の大半を稼ぎ出すランチタイムやディナータイムの接客クオリティが向上し、業績改善へと繋がったのです。
このすかいらーくの成功モデルを目の当たりにしたロイヤルホスト、デニーズ、サイゼリヤといった大手ファミリーレストランチェーンも次々と追随しました。「年中無休・24時間いつでも開いているファミレス」という昭和から平成にかけて定着したカルチャーは、令和の働き方改革の波のなかで、その歴史的使命を静かに終えることになりました。