インターネット上の掲示板やSNSにおいて、定期的に浮上するのが「アニメ版モンキーターンは途中で打ち切られたのではないか」という言説です。原作の賞金王決定戦編が描かれず、全日本選手権でシリーズが終了したことから生まれた推測ですが、当時の制作体制と放送枠を精査すると、この打ち切り説が完全な事実誤認であることが浮き彫りになります。
当時、日本テレビ系列やテレビ東京系列で展開されたスポーツアニメの多くは、原作の連載状況とタイアップして企画が組まれていました。テレビアニメ『モンキーターン』および『モンキーターンV』は、2004年1月から12月まで通年4クール・全50話という、深夜アニメとしては異例の大規模プロジェクトとして最初から設計されていたのです。
企画段階の2003〜2004年当時、週刊少年サンデーでの原作連載は佳境を迎えていたものの、賞金王決定戦の結末までは到達していませんでした。もしアニメを賞金王決定戦まで無理に引っ張れば、原作の連載ペースを追い越してオリジナル展開を強いられるか、長期間の放送休止を挟むリスクが生じる状況だったのです。
制作陣が下した決断は極めて戦略的でした。怪我による挫折からの復活、プロペラグループの対立、そして必殺ターン「Vモンキー」の完成という波多野憲二の成長曲線が最も劇的なピークを迎える「SG全日本選手権優勝」をアニメのグランドフィナーレに設定。全50話の尺を使い切り、作画クオリティを限界まで維持した上で最高潮のエンディングを迎える構成を選択したのが真相です。