「KGB宇宙人事件」という言葉は単一の公式事件名ではない。1990年代から旧ソ連崩壊後の混乱期にかけて流出したとされる複数の文書、映像、内部告発証言をまとめて指す俗称だ。代表的なものに、ウクライナやカザフスタンで回収されたとされる異様な生物遺体の記録、KGB将校によるUFO遭遇の内部報告書、そして後に「宇宙人解剖フィルム」と呼ばれる映像群が含まれる。
冷戦期のソ連では、軍内部に「未確認飛行物体」や「異常大気現象」を扱う部署がいくつか存在した。その中心となったのが、1960年代から1980年代にかけて断続的に活動した「SETKA(セートカ)」計画である。これは国防省と科学アカデミーが主導し、KGBが情報保全と対外情報の観点から関与したとされる国家規模のUFO研究プログラムだ。西側のプロジェクト・ブルーブックに相当するが、より軍事的・防衛的な性格が強かった点が特徴である。