大相撲の歴史において、最も多くの懸賞金を獲得したのは第69代横綱・白鵬(現・宮城野親方)です。白鵬 懸賞金 歴代記録は、他の追随を許さない圧倒的な数字を誇ります。
白鵬は全盛期、年6場所で2,000本を超える懸賞金を獲得し、年間で1億4,000万円以上、生涯累計では数十億円規模の懸賞金を生み出しました。特に2015年頃の白鵬の取組には、単独の一番に対して指定される懸賞金 最高本数が集中し、2015年秋場所千秋楽の白鵬対鶴竜戦では、当時の史上最多となる64本(総額448万円・当時の規定換算)が懸けられました。
しかし、この過熱ぶりは興行進行上の大きな課題を生むことになります。1本の懸賞旗が土俵を回るのに数秒を要するため、60本もの旗が回るとなれば、呼出が二重三重の輪を作って土俵を何周も行進しなければなりません。制限時間いっぱいの緊迫した空気の中で懸賞旗の行進が延々と続き、NHKの放送枠内に取組が収まらなくなる放送事故寸前の事態が頻発しました。
事態を重く見た日本相撲協会は、審判規定および進行基準を見直し、現在では「原則として1取組あたり最大50本〜60本程度」を目安とする実質的な上限規制を設けています。神事としての厳粛さと、テレビ中継という現代メディアの制約がせめぎ合った結果の妥当な着地点と言えます。