店頭で見かけなくなったことからネット上で「販売中止」の憶測が飛び交ったモルティザーズですが、その背景にはグローバルな菓子市場の構造変化と日本国内の流通事情が深く関わっています。現場の供給データから見えてきた主な要因は以下の3点です。
第1の要因は、国内正規販売元であるマースジャパンの製品ポートフォリオ再編です。スニッカーズやM&M'Sといった主力ブランドに経営資源を集中させるなかで、輸入菓子枠であるモルティザーズの一般コンビニやスーパー向け定番棚への配荷が縮小されました。これにより、かつてのように「どこのコンビニでも買える」という状態が解消され、消費者の目に触れる機会が急減しました。
第2の要因は、原材料価格の高騰と急激な円安による輸入コストの上昇です。欧州をはじめとする海外工場からの輸送運賃や乳製品・カカオ豆の相場高騰を受け、輸入商社がスポットでの仕入れ量を慎重にコントロールせざるを得なくなりました。その結果、輸入雑貨店への入荷タイミングに数か月のブランクが生じ、棚が空く期間が長期化したのです。
第3の要因は、SNSを起点とした局所的なバズとそれに伴う買い占め現象です。YouTubeのASMR動画やTikTokのスイーツ紹介で話題化するたびに特定の店舗へ需要が集中し、店頭在庫が瞬時に蒸発。買えなかったユーザーが「売っていない=終売」と誤認して発信し、不安が連鎖的に拡散されたという情報伝播の歪みも大きく影響しています。