瀬戸屋敷の最大の見どころは、300年の歳月を生き抜いてきた主屋の重厚な梁(はり)組と、吹き抜けの土間、そして心地よい風が通り抜ける広大な座敷です。囲炉裏やかまどが今なお保存され、伝統的な日本家屋の機能美を間近で観察できます。庭園には水路が引き込まれ、四季折々の草花が屋敷を彩ります。
年間を通じて数々の催しが開催されますが、全国から観光客が押し寄せる最大のハイライトが、毎年2月中旬から3月上旬にかけて開催される「あしがり郷瀬戸屋敷 ひなまつり」です。この期間、屋敷内には圧巻の光景が広がります。
開成町の民家の蔵から発見された約300年前の「享保雛」や、小田原城主大久保家ゆかりの格調高い段飾り、さらには地元婦人会をはじめとする地域住民の手によって丹精込めて縫い上げられた数千個に及ぶ「つるし雛」が主屋を埋め尽くします。豪華絢爛でありながら、地域コミュニティの手触り感が残る温かい祝祭空間は、大手メディアでも度々特集される屈指の季節行事です。
また、初夏の6月に開催される「開成町 あじさいまつり」では、東京ドーム約3.6個分に広がる水田地帯のあじさいロードとともに、瀬戸屋敷が重要な拠点の一つとして連動します。水田の瑞々しい青と、古民家の黒褐色が織りなすコントラストは、この地域ならではの情景美を演出します。