「春に昇給したのに、社会保険料はいつから変わるのか?」という疑問を抱くビジネスパーソンは多いはずです。昇給月の給与支給から起算して3か月間の平均報酬を計算し、従来の等級から2等級以上の差が生じた場合、4か月目(給料天引きは5か月目)から随時改定されます。例えば4月給与で大幅な昇給があった場合は、4月・5月・6月の給与実績をもとに7月分から改定され、一般的な会社員であれば8月支給分の給与から新たな高い保険料が引かれます。
一方、共働き世代にとって絶対に知っておかなければならない重要手続きが「育児休業終了時の改定手続き(育児休業等終了時改定)」です。育休から復帰した後は、時短勤務の選択によって復職前のフルタイム時代に比べて給与が大幅に減少することが珍しくありません。しかし、通常のルールに従うと、復帰直後も「休職前の高い標準報酬月額」で重い保険料が引き落とされ、手取りが壊滅的な打撃を受けてしまいます。
このセーフティネットとして設けられているのが、本人の申し出により事業主経由で提出する改定届です。復職後3か月間の給料をもとに、たとえ1等級の差であっても4か月目から速やかに標準報酬月額を引き下げることができます。加えて「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」を同時に提出すれば、保険料負担は減額された給与基準に下がる一方で、将来受け取る厚生年金額の計算上は「出産前の高い給与水準で納めていた」とみなされる手厚い特例が存在します。制度を知っているか否かだけで、数十万円単位の可処分所得と将来年金に決定的な差が生まれます。