エントランスを一歩くぐると、そこには100年を超える歴史の重みが静かに満ちています。館内は主に「ヒストリーゾーン」「企画展示ゾーン」「ミュージアムシアター」で構成されており、テレビ中継の画面越しでは味わえないディテールに触れられる設計です。
最大のハイライトは、各大学の誇りと魂が染み込んだ箱根駅伝 歴代タスキ展示です。母校のシード権獲得や総合優勝のために命がけで繋がれてきた本物のタスキには、汗と涙の痕跡が生々しく刻まれており、間近で見つめる来館者の多くが思わず息を呑みます。強豪校の鮮やかなスクールカラーから、長年予選会を戦い抜いてきた伝統校の重みある一本まで、各校の歩んできた歳月が一堂に会する光景は圧巻の一言です。
さらに、名ランナーたちが実際に着用したシューズやユニフォーム、当時の息遣いを伝える写真パネルも充実しています。「山登りのスペシャリスト」たちが激闘を繰り広げた5区の軌跡や、数秒の差で繰り上げスタートを余儀なくされた無念の瞬間など、記録誌の活字だけでは伝わらない人間ドラマが鮮やかに浮かび上がります。
館内の特設シアターでは、過去の名勝負や語り継がれる逆転劇を編集したオリジナル映像が常時上映されています。大型スクリーンに映し出される劇的なラストスパートと実況の臨場感は、初見の旅行者であっても胸を揺さぶられる迫力に満ちています。