ダリアが宿す「美しさと毒」の相反するイメージは、現代のエンターテインメントや音楽の世界でも鮮烈なモチーフとして登場する。1947年にロサンゼルスで起きた惨劇を題材にした映画『ブラック・ダリア』(The Black Dahlia)では、漆黒のダリアがエロティシズムと死、そして人間の暗部を象徴するアイコンとして印象的に使われた。
国内に目を向ければ、ロックバンドX JAPANが1996年にリリースした金字塔的アルバム『DAHLIA』が記憶に新しい。過酷な運命に翻弄されながらも美しく咲き誇るダリアの姿は、悲哀と狂気を内包したアート表現として多くのファンの心に深く刻まれた。ただ綺麗なだけではない。影を背負った強い存在感があるからこそ、表現者たちの創作意欲を刺激し続けているのだ。