音楽的な構造に目を向けると、『君はロックを聴かない』はアコースティックギター初心者が真っ先に挑戦すべき「最高の教科書」として君臨しています。多くの楽器初心者がギターを手にして最初に直面するのが、人差し指で6本の弦をすべて押さえる「Fコード」の壁です。しかし、この曲の基本コード進行は、初心者の挫折ポイントを美しく回避するように構成されています。
原曲のキーはGメジャー。使用される主要コードはG、D、Em、Cという、ギターの指板上で最も力を入れずに押さえられる開放弦を活かしたローコードが中心です。サビのドラマチックな展開部でも、複雑なテンションコードを多用せず、シンプルな3和音を力強くストロークすることで哀愁と疾走感を両立させています。
「カポタストを使わずにそのまま弾ける」「指の移動が極めて自然」「歌いながらリズムをキープしやすい」という3拍子が揃っているため、全国の軽音楽部や独学のギタリストたちが「人生で初めて1曲通して弾けた曲」として本作を挙げるケースが後を絶ちません。シンプルでありながら一切の隙がないコード配置に、あいみょんのソングライティング能力の高さが証明されています。