公園のランドマークとなっている美しい橋、それが長池見附橋だ。この橋のルーツは、明治44(1911)年に竣工した赤坂離宮(現在の迎賓館赤坂離宮)の前に架けられていた旧四谷見附橋にまで遡る。宮廷建築家として名高い妻木頼黄が設計を手掛けたネオ・バロック様式の装飾は、当時の日本の西洋建築技術の最高峰を示すものであった。
1980年代、道路拡幅に伴い解体の危機に瀕した旧四谷見附橋だったが、その歴史的・芸術的価値を惜しむ声が高まり、「旧四谷見附橋移築保存プロジェクト」が発足した。解体された膨大な鋼材や装飾部材は丁寧に適地へと運ばれ、多摩の地で復元された。自然公園・歴史的建造物が融合したこの場所は、近代化の歴史を現代に伝える貴重な遺産であり、橋の欄干に施された緻密なレリーフや装飾灯の優美さは、見る者の心を捉えて離さない。