園芸店や街角で耳にする「ライラック」と「リラ」という2つの呼び名。植物学的な違いがあるのか疑問に思う方も少なくありませんが、結論から言えば同じ植物を指す言語の違いです。英語名が「ライラック(Lilac)」、フランス語名が「リラ(Lilas)」であり、日本古来の和名では「ムラサキハシドイ(紫丁香花)」と呼ばれます。
植物分類上はモクセイ科ハシドイ属の落葉樹であり、原産地はヨーロッパ南東部(バルカン半島周辺)です。ヨーロッパでは古くから春の訪れを告げるシンボルツリーとして愛されてきました。開花時期は4月中旬から6月上旬にかけて。桜の季節が過ぎ去り、初夏の気配が漂い始める爽やかな季節に、円錐状に密集した小花を枝いっぱいに咲かせます。
ライラックの代名詞とも言えるのが、風に乗って遠くまで届く甘く爽やかな芳香です。ジャスミンやクチナシにも通じる優雅な芳香成分を含み、ヨーロッパでは古くから高級香水の原料として重宝されてきました。朝夕の涼しい時間帯には特に香りが立ち上り、庭空間全体を包み込む癒やしの効果を発揮します。