事件発覚当時、ネット掲示板やSNSはまさに蜂の巣をつついたような騒ぎとなりました。当時を知るユーザーの声や掲示板のログを検証すると、コミュニティの反応は大きく二分されていました。
YouTubeを中心とする若年層のファン層からは、「むらいさんは騙されただけ」「悪くないのに矢面に立たされてかわいそう」といった同情の声が寄せられた一方、株式コミュニティやネットユーザーからは冷徹な批判が殺到しました。「1億円以上が抜かれていることに何年も気付かない上場企業があるのか」「マックスむらいのキャラクターで浮かれていた経営陣の過失」といった、ガバナンス欠如を責める意見です。
この世論の冷え込みは、株式市場にダイレクトに反映されました。上場直後に一時4,000円を超えていたAppBankの株価は、不祥事の公表や業績見通しの悪化とともに奈落の底へと転落。長期間にわたる低迷期へ突入することになります。さらに不運だったのは、会社の稼ぎ頭であったスマートフォンゲーム攻略市場の成熟と、YouTubeプラットフォームの規約・アルゴリズム変更が同時期に重なったことです。不祥事によるブランド毀損と事業環境の激変が二重の打撃となり、同社は上場企業としての正念場を迎えることになりました。