近年、著作権が消滅した作品を無料公開する「青空文庫」などを通じて、若い世代が啄木の作品や生涯に触れる機会が急増している。さらにNHKのドキュメンタリーや文豪を題材にしたドラマ・アニメなどの影響もあり、彼の破天荒なキャラクターは「共感と呆れが同居する唯一無二の文豪」として再評価されている。
SNS時代を生きる現代人にとって、完璧な聖人君子よりも、自己承認欲求に苦しみ、借金に追われ、ネットで愚痴を吐くような啄木の人間臭さのほうがはるかにリアルに響く。SNSでバズる「ダメ男エピソード」の数々は、彼を遠い歴史の教科書の中の人物から、現代の隣人のような身近な存在へと引き戻しているのだ。