なぜ倒れない?ピサの斜塔の傾き理由と現在、ガリレオ伝説の真相解明

なぜ倒れない?ピサの斜塔の傾き理由と現在、ガリレオ伝説の真相解明

なぜ倒れない?ピサの斜塔の傾き理由と現在、ガリレオ伝説の真相解明について押さえておきたい ポイントを厳選して解説いたします。

20世紀後半、斜塔はかつてない危機を迎えていました。傾斜角は最大で約5.5度に達し、塔の頂上は垂直軸から約4.5メートルも外側にズレていたのです。いつ倒壊してもおかしくない極限状態を受け、イタリア政府は1990年に斜塔への立ち入りを全面禁止し、10年以上に及ぶ前代未聞の救出プロジェクトを立ち上げました。

採用されたのは、ミケレ・ジャミオルコウスキー教授率いる国際委員会が考案した「アンダーピニング(土壌抽出工法)」です。塔が傾いている反対側(北側)の地下からドリルで慎重に土を抜き取り、北側を意図的に沈下させることでバランスを取り戻す作戦でした。命がけの精密工事の結果、傾きは約40センチメートル解消され、角度にして約3.97度まで安全に引き戻すことに成功しました。2001年12月には一般公開が再開されています。

近年発表された監視委員会のモニタリング調査によると、修復後の地盤安定化に伴い、斜塔は過去20年あまりでさらに約4センチメートル自然に起き上がっていることが確認されています。現在は数百個の高精度センサーが設置され、風圧や気温変化、地下水位の変動まで24時間体制でデータ収集が行われており、専門家は「少なくとも今後300年間は構造的に倒壊するリスクはない」と結論づけています。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。