血糖値が緩やかに上がって緩やかに下がる正常な状態と異なり、血糖値急上昇急降下を繰り返す状態は、血管の内皮細胞に致命的なダメージを与え続けます。血管を一本のゴムホースに例えるなら、激しい水圧の乱高下を1日3回繰り返され、内側から亀裂が入っていく状態です。
高血糖のピーク時には、血管内で大量の「活性酸素」が発生します。この酸化ストレスが血管内皮を傷つけ、修復のために集まった免疫細胞やコレステロールがプラーク(血管のコブ)を形成します。これが動脈硬化心筋梗塞リスクを劇的に高めるメカニズムです。国内外の大規模疫学調査でも、空腹時血糖値が高い人よりも、食後血糖値の急変動が大きい人の方が、心血管イベントの発症率および死亡率が有意に高いことが報告されています。
さらに、脳梗塞や狭心症だけでなく、微小血管の破壊が進むことで認知症(アルツハイマー型認知症を含む)の発症リスクを高めることも近年の研究で明らかになっています。痛みを感じない血管だからこそ、初期のサインを見逃さないことが生命維持の分水嶺となります。