多くの人が「マヨネーズには殺菌力があるからポテトサラダは腐りにくい」と誤解しています。確かに、純粋なマヨネーズは醸造酢や食塩の働きにより強い静菌作用を持っています。しかし、じゃがいもとマヨネーズの傷みやすさにおける最大の落とし穴は「調合後の水分希釈」にあります。
加熱されたじゃがいもはでんぷん質が豊富で、細菌にとって格好の栄養源です。そこに水分を含んだ野菜(きゅうり、レタス、玉ねぎ)が加わると、マヨネーズの酢酸濃度が薄まり、防腐効果は一気に失われます。その結果、細菌が繁殖しやすい「高水分活性・高栄養」の培地へと変貌してしまうのです。
さらに、ポテトサラダがお弁当で傷みやすい理由もここにあります。密閉された弁当箱の中は、通勤・通学時の揺れや外気温によって25〜35℃という細菌の爆発的増殖温度に達しやすくなります。ポテトサラダの常温放置による食中毒では、熱に強い毒素を産生する「黄色ブドウ球菌」や「セレウス菌」が主原因となるため、一度毒素が作られると再加熱しても無力化できません。