連載当時の読者アンケートや、近年の各種アニメ人気投票・SNS上のコミュニティ分析を見ると、エンヴィーに対する評価は時代とともに「絶対的な悪役」から「最も人間臭い悲劇の怪物」へと深化しています。
ヒューズ暗殺直後の2000年代中盤、エンヴィーは「作中で最も嫌悪されるキャラクター」の筆頭でした。ファンレターや掲示板では激しい批判が寄せられていたものの、物語が完結した現在では、「最も感情移入してしまう散り際だった」「エドの言葉に涙した」という声が圧倒的多数を占めています。
この劇的な感情変化を決定づけた要因のひとつが、声優陣による圧倒的な演技力です。2009年版『FA』でエンヴィーを演じた高山みなみ氏は、残虐非道な嘲笑から、マスタングに追い詰められた際の恐怖の絶叫、そして最後の涙ながらの独白に至るまで、感情のグラデーションを完璧に表現し切りました。
「人間をバカにしていたはずが、一番人間になりたかった」という矛盾した業を、声の震えひとつで表現した演技は、国内外のアニメファンから今なお伝説的な名演として称賛されています。