インターネット上で囁かれ続けてきた「大金持ち説」や「やらせ疑惑」について、現場のファクトをもとに検証を進めていくと、視聴者が抱くイメージと過酷な現場実態との間に大きな乖離が存在することが分かります。
かつて番組内で、壊れかけのソファーに座りながら電気代の督促状を見つめていた山本さんの姿は、演出ではなく当時のリアルな困窮を映し出したものでした。しかし、長年番組を見守ってきた視聴者の中には、「あんなに釣れない状態が何年も続くのは、番組を盛り上げるためのシナリオではないか」「本当は裏で釣れているのに隠しているのではないか」と疑う声が一部で上がったことも事実です。
しかし、大間漁港関係者の証言や大間漁協の水揚げ記録は、一本釣りの残酷な現実を雄弁に物語っています。津軽海峡におけるマグロの回遊ルートの変化、近代的なソナーや大型巻き網船による沿岸資源の減少など、個人の腕や根気だけではどうにもならない自然環境の激変が直撃しています。山本さんが長期間マグロを仕留められなかったのは作為的な演出などではなく、津軽海峡の一本釣りが内包する剥き出しのリスクそのものでした。