無事にスプロケットが外れたら、単にギアを交換するだけでなく徹底したクリーニングを行いましょう。普段チェーンが邪魔で届かない各ギアの隙間やフリーボディの爪周辺には、乾いたチェーンオイルと砂利が混ざり合った研磨剤のような汚れが堆積しています。ディグリーザーを吹き付けたトレイにギアを浸し、真鍮ブラシやウエスで一枚ずつ磨き上げることで、変速性能は見違えるほど向上します。
清掃後の再装着で最も神経を使うべきポイントが、スプロケット締め付けトルクの管理です。シマノ規格の指定トルクは一般的に30〜50Nm(多くは40Nm前後)と、自転車のネジ類の中ではトップクラスに強い締め付けが求められます。締め込みが甘いと走行中の微振動でガタつきが生じ、アルミ製フリーボディの溝にギアが食い込んで再分解不能になる「噛み込みトラブル」が発生します。逆にオーバートルクはフリーボディ側のネジ山を壊すため、トルクレンチを用いた正確な管理が推奨されます。