ネット上の掲示板やSNSにおいて、頻繁に散見される言説が「定員割れしているのだから、石巻高校はもはや進学校ではない」「誰でも入れる学校に成り下がった」という極論です。しかし、教育現場を深く取材してきたジャーナリストの視点から断言すれば、これは完全な誤解であり一面的な偏見に過ぎません。
確かに、定員割れによって合格ラインの「下限」が下がり、以前であれば合格が難しかったレベルの受験生が潜り込める余地が生じたのは事実です。しかし、重要なのは「入学者上位層の学力水準はびくともしていない」という厳然たる事実です。石巻地区で生まれ育ち、「仙台まで毎朝往復2時間以上かけて通学する体力的・時間的コストを避け、地元で充実した高校生活を送りながら難関大を目指す」と戦略的に判断した秀才たちが、学年の上位2〜3割を確実に構成しています。
むしろ注意すべき盲点は、「入学後の学内格差(二極化)」です。下位で滑り込んだ生徒が、上位層に合わせたハイスピードな授業や大量の課題についていけず、学習意欲を喪失してしまうリスクが存在します。定員割れだからと油断して基礎学力を怠ったまま入学すると、最初の定期考査で深刻な挫折を味わうことになります。