ジム内で登るクライマーたちの手元を見ると、スマートフォンで自身のトライを撮影する光景が当たり前となっている。Instagramには「#サニーサイド」のタグとともに、華麗な完登動画が連日投稿され、YouTubeでは課題の攻略ルート(ムーブの解答)を解説するコンテンツが大盛況だ。デジタル時代における課題の共有は、コミュニティの熱量を高める強力なエンジンとなっている。
また、アカデミー賞を受賞した映画『フリーソロ』(Free Solo)の世界的ヒット以降、クライミング・フィットネス業界全体に追い風が吹き続けている。命綱なしで極限の岩壁に挑む圧倒的なドキュメンタリーは、人々に「壁を登る」という行為の美しさと強烈な憧れを植え付けた。その熱狂の波が、身近に安全に体験できる屋内ジムへと波及し、カルチャーとしての深みを増しているのだ。