若き日の吉田鋼太郎といえば、演劇界では誰もが認める天才肌の俳優だった。蜷川幸雄氏の演出作品で主要キャストを張り、シェイクスピア戯曲の重厚なセリフを自在に操る存在感は圧倒的。しかし、当時の彼は情熱の赴くままに生きる生粋の演劇人であり、私生活においても数々の出会いと別れを繰り返していた。
事実、彼はこれまでに3度の離婚を経験している。1度目は事実婚、2度目と3度目は正式な結婚生活を送ったが、いずれも長続きはしなかった。若気の至りや劇団生活の多忙さ、役作りに没頭するあまり家庭を顧みることができなかった若き日の苦い記憶。自身も後にインタビューで「若い頃は自分勝手で、人を傷つけることも多かった」と振り返っている。