鉄道は、日本の近代化と地域社会を支え続けてきた魅力あふれる巨大システムです。その趣味性自体は何ら否定されるべきものではありません。しかし、趣味を生涯の豊かな教養として昇華できる人と、世間から煙たがられて孤立していく人の間には、明確な分水嶺が存在します。
【鉄道趣味を健全に楽しめる人の条件】 第一に、鉄道を「社会インフラの一部」として客観視できる謙虚さを持っていることです。列車は乗客や貨物を安全に運ぶために動いているのであり、自分のカメラのために走っているのではないという大前提を骨身に染みて理解している人は、どんな混雑した現場でも安全距離を保ち、駅員の指示に即座に従うことができます。また、撮影や乗車のついでに現地の飲食店を利用するなど、地域への敬意と還元を忘れない姿勢を持っています。
【鉄道趣味に向いておらず、敬遠される人の条件】 一方で、趣味を通じてしか自己の存在価値を見出せず、SNSの数字や「限定品・レア構図の所持」に依存している人は極めて危険です。思い通りの撮影環境が整わないときに他者や運行状況のせいにして怒りを露わにする人間は、鉄道を愛しているのではなく、「鉄道という巨大な権威に寄生して自己を誇示している」に過ぎません。公共のルールよりも自らのエゴを優先させてしまう精神状態にあるならば、カメラを置き、趣味との距離感を根本的に見直す必要があります。