被爆再現人形の議論において、現在でも多くの人が誤認している事実がいくつか存在します。ネットの言説に惑わされないためにも、客観的事実を押さえておく必要があります。
最大の誤解は、「人形がゴミとして破棄された」という噂です。一部の掲示板等で「取り壊されて捨てられた」と語られることがありますが、これは明確な誤りです。
実際には、人形は平和記念資料館の地下収蔵庫に厳重に保管されています。資料館の歴史を物語る貴重な所蔵物の一つとして、適切な温湿度管理のもとで保存処理が施されており、決して粗雑に扱われているわけではありません。ただし、資料館側は「現在の常設展示方針にそぐわないため、再展示や一般公開の予定はない」としています。
また、人形の撤去によって資料館の来館者数が減少したという事実もありません。むしろ本館リニューアルオープン以降、外国人観光客や教育旅行の来館者は急増し、年間入館者数は過去最高ペースを記録しています。凄惨な造形物がなくなったからといって、資料館の持つ訴求力が損なわれたわけではないことが数字の上でも証明されています。