交通機動隊や交番勤務の警察官による取り締まりは、信号待ちでの目視確認や夜間の検問、シートベルト・携帯電話使用の取り締まり時に併せて実施されるケースが多数を占めます。実際に検挙されたドライバーの証言を検証すると、共通する心理的油断が浮かび上がってきます。
「自宅から500メートルのコンビニに行くだけだった」「ゴミ出しのついでに車を動かしただけだった」という、いわゆる「近距離運転への過信」です。人間は慣れ親しんだ行動に対して正常性バイアスを働かせ、危険予測の感度を著しく低下させます。「数分間の運転なら突発的な事態は起きない」と思い込み、靴を履き替えるわずか10秒の手間を省略してしまいます。
事故処理に立ち会う保険会社のアジャスターや警察関係者への取材によると、サンダル運転による追突事故ではドライバーが「ブレーキを踏んだがサンダルがずれて奥まで踏み込めなかった」「アクセルからブレーキへ移動する際につま先がペダルの裏側に引っ掛かった」と供述する事例が顕著です。
サンダル運転で事故を起こした場合、警察による刑事責任・行政処分の加重だけでなく、民事上の過失割合でも「著しい過失」としてドライバー側に5%〜10%程度の過失が上乗せされるリスクが存在します。被害者救済の観点からも、不適切な履物での運転は極めて不利な立場へと直結します。