全国に現存するタワーの多くは、昭和中期から後期にかけて建造された。半世紀以上の風雨に耐えてきた鋼骨をいかに次世代へ引き継ぐか。今、各地で前例のない大規模延命・リノベーション工事が実を結びつつある。
最新の金属疲労スキャン技術や炭素繊維複合材による補強、さらに超軽量ダンパーの組み込みによって、文化財級の景観を損なわずに耐震性能を飛躍的に向上させるプロジェクトが相次ぐ。単なる修繕ではない。塔体の外面に超薄型のペロブスカイト太陽光発電パネルを組み込み、夜間ライトアップの電力を自給自足する環境配慮型の実験も始まった。歴史的意匠と先鋭テクノロジーの同居が、都市景観に新たな奥行きを与えている。