ネット上や歌舞伎ファンの間で長年高い関心を集め続けているのが、中村獅童と萬屋錦之介の関係です。「親子のようによく似ている」「錦之介の隠し子ではないか」といった噂が過去に囁かれたこともありましたが、正真正銘の「叔父と甥」の間柄です。
萬屋錦之介といえば、東映時代劇の黄金期を支え、『宮本武蔵』シリーズや『子連れ狼』の拝一刀役などで国民的人気を博した伝説的俳優です。歌舞伎界の枠にとどまらず映画の世界へと飛び出し、全身全霊の芝居で観客を熱狂させた錦之介の生き様は、甥である獅童に強烈な影響を与えました。
かつて獅童は自著や単独インタビューの中で、錦之介の撮影現場や私生活について次のように振り返っています。
「叔父・錦之介の存在は、幼い僕にとって圧倒的なヒーローであり、芝居の原風景そのものでした。役を生きることに対する鬼気迫る執念、そして劇場やスクリーンの外で見せる周囲への気配りと男気は、役者を目指す上での絶対的な道標になっています」
歌舞伎の型を徹底して叩き込まれながらも、現代劇や映画、ロックカルチャーへ貪欲に越境していく獅童のアグレッシブなスタンスは、まさに叔父・錦之介のDNAを色濃く継承した証と言えます。