当時のバラエティ界を語る上で欠かせないのが、志村けんを擁するお笑い界の巨頭や渡辺プロダクションを中心とした大型番組との熾烈なライバル関係だ。身体を張ったコメディが全盛を誇っていた時代に、会話の間と視聴者の日常に寄り添う笑いで勝負を挑んだ。
激しい視聴率競争の裏で、喜劇人たちはお互いの表現手法を深くリスペクトし合っていた。志村けんが追求したダイナミックなコントと、欽ちゃんが築き上げた市井の人々のリアクションを活かすお笑い。この二大潮流が切磋琢磨したからこそ、日本のテレビお笑い文化は飛躍的な進化を遂げたのだ。