Webメディアやインフルエンサーの投稿で「乳化さえ完璧なら毛穴の黒ずみはすべて消える」「どんなクレンジングオイルでも長時間の乳化マッサージが美肌の秘訣」といった過剰な言説が散見されます。しかし、ここには皮膚科学的な重大な盲点が存在します。
ネット上で人気の乳化クレンジングおすすめ評判を鵜呑みにして、高級油脂系オイル(マカデミアナッツ油やアルガンオイル主剤のもの)を購入したものの、肌荒れが悪化したと訴えるケースが後を絶ちません。油脂系クレンジングは肌の柔軟効果に優れる反面、エステル油や炭化水素油(ミネラルオイル系)に比べて乳化に時間がかかり、技術を要します。乳化の腕が伴わないまま使用すると、肌上に残った高級植物油脂が皮脂分解酵素によって遊離脂肪酸へと分解され、かえって毛穴のすり鉢状変形や赤みを悪化させるリスクを孕んでいます。
また、「白く濁ったからといって、毛穴の奥まで汚れが吸い出されたわけではない」という事実も知っておくべきです。乳化はあくまで「肌表面の油性汚れを水で流せる状態にした」に過ぎません。その後のクレンジング乳化ぬるま湯すすぎを手抜きしてしまえば、乳化した汚れ混じりのエマルジョンが再び毛穴の凹凸に沈着します。「白くなったら終わり」ではなく、「白くさせたものをいかに摩擦レスですすぎ切るか」までがワンセットの乳化技術なのです。