ネット上の言説では「三日坊主で終わるのは本人の根性が足りないからだ」という精神論が散見されます。しかし、行動心理学や各種追跡調査を検証すると、個人の意志の強弱とは全く別の要因が存在することが判明しています。
米国の行動科学研究機関やフィットネスアプリの利用動向データによると、1月1日に立てられた新年の決意は1月の第2金曜日(通称:Quitter's Day=挫折の日)を境に急落し、2月中旬までに全体の約8割が形骸化することが確認されています。この現象を引き起こす主な構造要因は以下の2点です。
第1に、「フレッシュスタート効果」に伴う過大評価です。人間は暦の変わり目や誕生日などの時間的節目を迎えると、過去の失敗をリセットできたような心理的錯覚を覚えます。その結果、普段の生活習慣や体力を無視した過度に理想的な決意を掲げてしまい、日常の疲労や多忙さに直面した瞬間にエネルギー切れを起こします。
第2に、「結果目標」ばかりを掲げて「行動目標」を定義していない点です。「英語を話せるようになる」「今年こそ健康的な体型になる」といった宣言は、耳障りは良くても「明日何をすればいいのか」が定義されていません。脳は具体的でない指示を拒絶し、エネルギー消費を抑えようと現状維持バイアスを働かせるため、自然と挫折の道をたどります。