日本国内におけるこの問題の先駆的研究として知られるのが、東京大学の川口大司教授(労働経済学)らによる実証分析だ。川口教授らの研究チームは、日本の大規模な公的データや追跡調査を用いて、生まれ月が最終学歴や労働市場での成果に与える長期的な影響を厳密に検証した。
その分析結果は極めて示唆に富んでいる。早生まれの人物は、遅生まれの人物に比べて有名大学への進学率が低く、大企業への就職率や30代〜50代における平均年収においても統計的に有意な差が見られることが立証された。労働経済学の視点から見ても、幼少期の相対年齢効果は大人になっても消滅せず、キャリア形成や賃金構造にまで持続的な「負の遺産」あるいは「正の資産」として残り続けることが裏付けられている。