堂本剛の記念すべきソロデビュー曲の発売日は2002年5月29日。両A面シングル『街 / 溺愛ロジック』としてリリースされた本作は、自身が主演を務めたTBS系金曜ドラマ『夢のカリフォルニア』の主題歌として書き下ろされました。同ドラマは、就職難や将来への不安、人間関係の軋轢に苛まれる20代前半の若者たちのリアルな鬱屈を描いた青春群像劇であり、彼が演じた山崎終(しゅう)の痛々しいほどのリアリティは大きな反響を呼びました。
当時、ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)に所属する現役トップアイドルが、自作のオリジナル楽曲を引っ提げて単独名義でCDデビューを飾ることは極めて異例の事態でした。提供されたヒットメーカーの手による楽曲を歌うのが定石とされていた時代に、剛は自らのペンとアコースティックギター1本で、自身の内面を赤裸々に吐露する道を選び取ったのです。
オリコンチャート初登場1位を記録した本作は、単なる企画モノの枠組みを根底から覆し、シンガーソングライター・堂本剛の揺るぎない出発点となりました。商業的な成功の裏で彼が戦っていた見えない敵、そして作品に注ぎ込まれた切実な感情の純度は、当時の音楽関係者をも震撼させるものでした。