歯科業界における最大の分岐点が「勤務医として生きるか、開業医として独立するか」という選択です。医療経済実態調査などのデータを突き合わせると、勤務医の平均年収が約600万〜900万円で安定しているのに対し、開業医の平均年収は1,200万〜1,500万円前後と、平均値ベースで約1.5倍以上の開きがあります。
しかし、開業医の数字には「莫大なリスクプレミアム」が内包されていることを見落としてはなりません。現代の歯科医院開業には、ユニット(診療チェア)3〜4台、CTスキャン、滅菌機器、内装工事費、物件取得費などで最低でも5,000万円から1億円前後の初期投資借金が必要になります。
毎月の売上からスタッフの人件費、材料費、家賃を支払い、さらに金融機関へ月額数十万〜百万円単位の元利返済を行った後の金額が、院長個人の所得(年収)となります。集患に成功したクリニックであれば年収2,000万〜5,000万円以上の高所得を謳歌できる一方、患者数が伸び悩むクリニックでは「毎日の労働時間は12時間超、借金返済に追われ手取り月収は勤務医時代以下の30万円台」という過酷な現実が存在します。