通常、企業がここまでの黒歴史を作れば、闇に葬り去るのが常識だ。だが赤城乳業の真骨頂はここからだった。テレビCMを打って全国に流したのは、役員や社員たちが悲壮感あふれる表情で深く頭を下げる「取り返しのつかない大失敗でした」という直球の謝罪映像だった。
哀愁を帯びた音楽に乗せ、3億円の赤字をあっさりと認める潔さ。この居直りとも取れる自虐マーケティングに、視聴者は爆笑し、喝采を送った。「失敗したけれど、本気で挑んだんだな」「そこまで正直に謝られたら応援するしかない」という共感が広がり、ブランドへの親近感は過去最高にまで跳ね上がった。