光るサンダルを巡っては、インターネット上でいくつかの極端な都市伝説や根拠の薄い懸念が囁かれてきました。ここ数年で保護者の間に広まった噂をファクトチェックし、安全性と危険性の真相を精査します。
かつて海外の粗悪な模倣品で「歩行中に電池が発熱して火傷した」といった海外ニュースがSNSで拡散され、日本国内でも不安視された時期がありました。しかし、現在日本国内の正規流通網(大手靴店、正規ライセンスメーカー)で販売されている製品は、玩具安全基準やPSE関連の知見に準拠した密閉テスト管轄下で生産されており、通常の着用において発火や感電を起こす危険性は極めて低いと結論づけられます。
むしろ現実的な危険性として警戒すべきは、ハードウェアの不具合ではなく「子どもの視認行動のズレ」です。
幼児教育関係者や小児整形外科医が指摘するのは、子どもが歩きながら「自分の足元が光る様子を見つめ続けてしまう」という前方不注意現象です。靴底ばかりに気を取られ、前方の段差に躓いて転倒したり、道路への飛び出しに気づくのが遅れたりするヒヤリハットが現場から報告されています。また、柔らかいEVA素材で作られたサンダルは、エスカレーター乗り降り時の巻き込み事故リスクが常に付きまといます。
さらに見過ごせないのが、「保育園・幼稚園における持ち込み制限」という高い壁です。公立・私立問わず、全国の園現場では「光る靴・光るサンダル」の登園時着用を原則禁止、あるいは強く自粛要請している施設が多数派を占めています。その理由は極めて実利的なものです。
「昼寝の時間に誰かの靴が光ると子どもたちが興奮して覚醒してしまう」
「他の園児が触りたがって取り合いになり、噛みつきやトラブルに発展する」
「誰が光っていて誰が光っていないかという嫉妬や比較の対象になる」
園の集団生活という枠組みにおいては、キラキラ光るギミックが現場のオペレーションに支障をきたすケースが多いため、置き靴として普段使いできるかどうかの事前確認は必須となります。