GoogleやSNSの検索窓に「北九州市立大学」と打ち込むと、真っ先に「やばい」「恥ずかしい」といった否定的なワードが候補に現れます。ネット掲示板や知恵袋の書き込みを精査すると、この噂の発生源には大きく分けて3つの要因が存在することが分かります。
第1の要因は、かつての工業都市時代に形成された「北九州市自体の治安が悪いのではないか」という都市伝説的な偏見です。インターネット上で長年消費されてきた「修羅の国」という俗称が、大学自体の校風や教育環境にまで無根拠に投影されているケースが散見されます。しかし、後述するように文系の本拠地である北方キャンパス周辺は落ち着いた文教・住宅エリアであり、犯罪発生率も福岡市中心部と比較して特段高いわけではありません。
第2の要因は、在学生が自虐的に発信する「理系キャンパスの立地が孤立していてやばい」「文系の課題が想像以上にハードでやばい」といった文脈が、検索エンジンのアルゴリズムによってネガティブな文脈へと切り取られて拡散した現象です。取材班が入手した学内アンケートの回答でも、「単位取得が厳格で留年率が高い学科がある」「ひびきのキャンパス周辺に商業施設が少なく研究漬けになる」といった切実な悲鳴が、いつの間にか「大学そのものの質が低い」という風評へとすり替えられていた実態が確認できます。
第3の要因は、大学の急激な改革と実績向上に対する「良い意味でのやばい」という驚嘆の声です。特に九州・山口エリアでの就職決定率が毎年95%以上を維持している事実や、公務員採用試験における圧倒的な強さに対して、予備校関係者や人事担当者が発した高評価が混在しています。つまり、根拠なき風評と教育現場の実態の落差こそが、この奇妙な噂を生み出し続けている根本原因です。