番組休止を語るうえで避けて通れないのが、放送倫理・番組向上機構(BPO)による規制強化の波です。2021年夏、BPOの青少年委員会は「痛みを伴うことを笑いの対象とする演出」について審議入りを発表し、過激な体罰的リアクションを問題視する姿勢を明確にしました。
この方針転換は、バラエティ番組の制作現場に激震を走らせました。名物となっていた「タイキック」や「黒塗りメイク」、臀部への棒打撃といった演出は、青少年への模倣リスクやいじめ誘発の観点からスポンサー企業が極めて敬遠する要素となったためです。
「笑ってはいけない」を成立させていたのは、理不尽な暴力演出とそれに耐える芸人たちのプロ根性でした。しかし、打撃の強さを弱めたり罰ゲームをマイルドにすれば、長年培った番組の醍醐味であるカタルシスは消失します。毒気を抜いてまで続けるべきか、それとも惜しまれつつ幕を引くべきか。制作陣と吉本興業、そしてダウンタウン自身が下した決断が、無期限の充電期間という形での休止でした。