千日前のアーケードを進むと、視界に飛び込んでくるのは整然と並ぶ数十人の待機列です。なぜこれほどまでに人を惹きつけるのか、天ぷらまきの難波 行列の理由を紐解くと、緻密に計算された「五感刺激の店舗構造」と「価格破壊」の融合に行き当たります。
運営母体は「丸亀製麺」などをグローバル展開するトリドールホールディングス。同社が培ってきた「オープンキッチンによる出来立てのライブ感」を天ぷら業態に移植したのがトリドール 天ぷらまきのです。客席を囲む大型カウンターの内側では、職人が軽快なリズムで衣をくぐらせ、大鍋の油へと素材を滑り込ませます。「パチパチ」と弾ける澄んだ音、立ち上る湯気と豊かな油の香り、そして揚げたてが直接天ぷらバットに置かれる瞬間――この一連のシズル感が、待機列の顧客の期待値を極限まで引き上げます。
さらに、大阪ミナミという土地柄、海外トラベルメディアやSNSでの拡散が拍車をかけています。「ハイエンドな日本の天ぷらカルチャーをカジュアルに満喫できる場」としてインバウンド客の口コミが世界規模で連鎖し、日本人客と外国人観光客が絶妙に入り混じる独自の熱狂を生み出しています。