ケツだけ星人は、単なる単発ギャグにとどまらず、劇場版シリーズにおいて物語の根幹を担う重要なギミックとしても昇華されました。
その最大の金字塔が、2007年公開の劇場版第15作『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!』です。地球を丸ごと消滅させる威力を秘めた謎の不発弾が、愛犬・シロのお尻にぴったりと装着されてしまうという衝撃の展開から物語がスタートします。
宇宙規模の秘密組織「UNTI(アンティ)」や歌劇団がシロの命と引き換えに地球を救おうとする中、しんのすけは「シロはオラが守る」と決意し、国家権力や宇宙的脅威にたった一人で立ち向かいます。この作品において、「お尻」という下品と紙一重のモチーフは、「家族愛」「かけがえのない命の尊厳」を象徴する最高のエモーショナル装置へと転換されました。クライマックスで披露されるケツだけ星人の変形アクションは、劇場版シリーズ屈指の名シーンとして2026年現在も高く評価されています。