なぜ今、従来のツヤ系ハイライトではなく、ノンパールのマットハイライトが熱狂的な支持を集めているのでしょうか。その背景には、肌の光学特性とテクスチャーの相関関係に関するユーザーのリテラシー向上があります。
従来のパールやラメを含むハイライトは、入射した光を正反射(鏡面反射)させることで強い光沢感を生み出します。しかし、皮脂分泌の盛んな小鼻の脇や、乾燥によるたるみ毛穴が存在するエリアに正反射の光が当たると、毛穴のフチとくぼみのコントラストが激しく強調され、いわゆる「毛穴浮き」を引き起こします。これが、多くのユーザーが直面してきたハイライト事故の本質です。
これに対し、マットハイライトが毛穴落ちしないハイライトとして支持される理由は、光を特定方向に弾くのではなく、全方位へ均一に散乱させる「ソフトフォーカス効果」にあります。多孔質シリカや微粒子タルクが凹凸の隙間に薄膜となって密着し、光の乱反射によって毛穴の深度そのものを視覚的に曖昧化。皮脂を吸着しながら肌表面を均一にならすため、時間が経っても粉が毛穴に溜まる現象を防ぎます。
さらに、ファンデーションの厚塗りを避けながら素肌感を残すプチプラコスメで洗練された陶器肌を作る方法として、マットハイライトは欠かせないピースとなりました。ベース全体をマットで塗り固めるのではなく、ベース自体は薄膜セミマットに仕上げた上で、顔の中心部や凹凸の影にだけマットな明るさを配置する手法です。これにより、人工的な粉っぽさを一切感じさせない、素肌そのものが発光しているかのような自然な立体感が完成します。