こうした急速な関心の高まりを受け、伝統芸術・書道業界全体も動き出している。これまで流派の壁に阻まれがちだった書道界において、日本書道協会などの主要団体が主導する形で、有栖川流の歴史的意義を再評価する特別展やシンポジウムが相次いで企画されるようになった。
かつては一部の権威や愛好家だけのものだった格式高い流派が、オープンな研究対象として開放されたことは業界にとっても大きなブレイクスルーだ。伝統を守りながらも時代に合わせてアップデートを続ける姿勢こそが、衰退が叫ばれる文化芸術分野における新たな希望の光となっている。