放送直後から5ちゃんねる、X(旧Twitter)、YouTubeの切り抜き動画に至るまで、インターネット上はかつてないお祭り騒ぎに包まれました。「腹筋が千切れるほど笑った」「千鳥のツッコミが神がかっている」「長州力のロケはもはや芸術」といった絶賛のコメントが溢れ返り、深夜ローカル番組の枠組みを突破して全国区のトレンドへと急浮上したのです。
千鳥のふたりがここまで激しく悶絶した背景には、長州力の「ロケ技術の完全な欠落」と「人間的チャーミングさの異常な共存」がありました。
理髪店を見つけるや否やアポなしで突撃し、店主とまったく噛み合わない問答を繰り広げたかと思えば、通りがかった小学生たちに対して急に優しい祖父のような表情を見せつつ「凄いねお前たち」と謎の全肯定を浴びせる。さらにはスタッフの誘導に対して「形変えてしまうぞ」とリング上の殺気を漂わせるなど、テンションの高低差が常人の理解を遥かに超えていたのです。
千鳥の芸風は、相手の粗探しをして冷笑するのではなく、対象の人間味や破綻した魅力を全肯定しながらツッコミで愛嬌へと昇華させる「受容と増幅」のシステムです。長州力という予測不可能な巨大質量が投下されたことで、このシステムが最高のケミストリーを起こした現場のリアルが、ネットユーザーの熱狂的な共感を勝ち得た本質と言えます。