解散から10年以上が経過した2003年、元メンバーの高杢禎彦氏が発表した自著『チェッカーズ』(新潮社)は、世間に大きな衝撃を与えました。同書では、フミヤのバンド内での専横や独立工作、メンバー間の冷遇などが感情的な筆致で綴られており、かつてのファンが信じていた「仲良しグループ」の幻想を根底から打ち砕くものでした。
これに対し、藤井フミヤ側は公の場で過度な反論を展開することは避けつつも、会見などで「事実と異なる部分が多すぎる」「墓場まで持っていくべきだった話を公にされた」と深い失望を表明しました。幼馴染として少年時代を共に過ごした間柄であったからこそ、裏切りと感じたショックは計り知れないものがありました。
芸能ジャーナリストたちの取材によると、この対立の本質は「友情とプロフェッショナリズムの境界線」にありました。ビジネスが巨大化する過程で、実力主義に徹して音楽的クオリティを追求したフミヤと、幼馴染としての対等な関係や恩義を優先させたかった高杢氏との間に生じた認知のズレが、年月の経過とともに埋めようのない怨恨へと変質していったのです。